まとまった時間が取れない日は、埋め合わせをしようと躍起になる。焦ればあせるほど、時間がどんどん細切れになってしまう。ついでに聴きたくもない相談事が、便利だけれど一方的な通信手段によってもたらされる。同級生J子が、どうしても話したいことがあるという。10時以降なら大丈夫かもしれないとメールを送る。すると待ってましたとばかりに電話が鳴る。体調が悪いのか、はたまたご主人に何かあったのかと気を揉む。すると受話器の向こうから響き渡るJ子の声と内容の落差に、どうしていいのか困ってしまった。J子の娘にボーイフレンドができて云々という内容だ。一人娘だと、そんなに気がかりなのかな・・・と心配した自分がバカらしくなる。なんだかんだとJ子が安心できるように話をし、彼女の言い分を聞いた上で受話器を置いてもらった。しばらくして、あれはJ子が娘を心配しているのではなく、娘にボーイフレンドができたことを自慢したかったのだろうかと気づく。悲しいかな他人の意図に気づくのは、いつもこんな風に間が抜けて遅い。私の場合、相談することがあったら、その道の専門家に聴く。決して友人などに意見を聞かない。同情や共感よりも、ノウハウが欲しいからだ。これから昨晩読み損ねた本を開き、気分転換をしよう。C.サーニ著「感情コンピテンスの発達」だ。