娘とのキャンパス行脚も最終日、予定していた学校にもう1校加え探検した。二ヶ所とも学祭の真っ最中で、凄まじい人波とバンドの騒音に嫌でも呑み込まれる。最初に行った学校は子ども1号が通っている。比較的広いキャンパスと建物群に娘が怯む。「学祭だから、いつもより大勢の人がいると思うよ」と慰めるが、固まったまま足が進まない。仕方なく2つ目の学校に行く。そこはこぢんまりとしたキャンパスだが、やはり学祭で混み合っていた。人混みに酔ってしまったかのような娘を引っ張って、地下鉄に向かう。この3年間昼間定時制というのんびり、のどかな学校にいたせいか、大勢の人間がひしめく場所が苦手になってしまったようだ。1学年80名、1クラス20名の環境は、ある意味ぬるま湯なのかもしれない。I先生が以前「あそこに行ったら、後がないわよ~」と言ったのが、なるほどそう言う意味だったのかと理解する。単位制の高校は、大学と同じように卒業に必要な単位を取得する。1人1人の生徒が、自分だけの時間割を作る。その結果、学内での順位が分からない。また、不登校経験者が多いせいか、受験受験と追い立てられないで3年間が過ぎていく。高3になっても進路説明会は強制ではなく、三者面談もない。教科書は進学校と違い易しいバージョンを使っている。これだけでも受験には不利だ。まいったなぁ~と思いつつ、普通校を選んでも娘には続かなかったかもしれないと気を取り直す。親ばかなんだろうな、きっと。