昨日の冷え込みは、初めて来日した留学生を文字通り震え上がらせたようだ。なかには服を七枚も着込んだ学生もいた。日本に長くいれば、あるいは雪が降る国から来たなら、今夜あたり雪が降るだろうと感じる。しかし、雪を知らない学生は「先生、雪は何月に降りますか」と無邪気に聞いてくる。何事も経験がないと見通しが立たないのかもしれない。
子どもとの関わりでは、父ペンギンにも同じようなことが言える。例えば学校との交渉において、父ペンギンは私に全権委任の形をとっている。仕事で多忙を極めるのが主因だが、彼は交渉や煩雑な人間関係に関わるのをよしとしない主義だ。研究に没頭したいのだろう。交渉下手な人間が海千山千の学校と関わっても、勝敗はすでについている。お互いに得意分野を活かし、不得意さを補う意味で、学校担当は私になった。それでいいと思う。父親が全てではない。理想的な教科書など無いのだ。母親と外部の教育相談機関が連携をとれていれば、足りないところを補ってくれる。闘う時は、補給路を断たない、しっかりとした後方支援を確保にかぎる。「餅は餅屋」と言うように。