英国では、Sandmanが夜になるとやってきて、子どもの目に砂をまくと言われている。砂が目に入った子どもは目をこすりながら眠りにつく。まどろみの世界はどんなに楽しいだろう。Golden slumbersは「すてきな おねむ」という子守歌だ。私にとってのまどろみは、現状に満足できない未熟な私を受け入れられないことかもしれない。今また目の前で時空の扉が開けられたら、躊躇わずに過去に戻っていくだろう。3歳のわたしを見て懐かしみ、12歳のわたしを遠くから見て涙ぐむ。そして18歳のわたしを頼もしく想い、20歳のわたしに自由を感じるだろう。時のしずくは夜が明けると消えてなくなる。その前にたとえ一滴でもしずくを手に受け、私がわたしであったことを慈しみたい。