むかし、むかし母ペンギンは通常業務の合間に、Inspection Specを訳したことがあった。相手は機械なので、ときには故障する。そして修理をするのだが、もとどおりに作動するかを確かめるための指示書だった。技術用語ばかりの味気ない内容であったが、ただ一つ今でも心に残る記述がある。それは、「様々な検査をし、それでも動かなければ、もう一度機械をバラバラにし、組み立てること」である。こんな基本的なことでも、実際の作業ではおろそかにされがちだ。人間関係もそうかもしれない。あれこれと策を弄するよりも、本当の気持ちを相手に伝えるのがよい時もある。
しかし、それはどうにもならなくなった場合に有効なのであろう。