どうしてだろう、子どもの頃の記憶が間欠泉のように湧いてくる。誰かと遊んで楽しかったわけでもない。ままごとに誘われたとき、他の子が持っていた洋酒のビンがキラキラしてきれいだったとか、追いかけたバッタが鮮やかな緑色だった・・・という程度だ。子どもの頃の記憶は、ほとんど物に関連している。はじめに物ありきで、そのついでに人がいる。その反対は、まずあり得ない。人をepisodeとして記憶し始めたのは、たぶん思春期後半だったと思う。それまでの私は、透明人間のように集団の中で浮いていたのかもしれない。では、その人の記憶とは何だろう。~な人とか~みたいな人という括りで記憶するのではなく、その人の名前+その人の個々のdataをフォルダーに入れているにすぎない。そんな記憶をする人が他にもいるとμ先生に教えてもらったことがある。その人の著作集を読んだら、本当に私にそっくりな思考方法をとっている。ふ~ん・・・と思った瞬間だった。