湿度の高い日、朝からエアコンをドライに設定しどっぷり浸かる。そこに電話が鳴り、number displayを見ると不審な00という番号表示だ。誰だろうと思いつつ受話器をとると、ダンナだった。国外に行ってまだ1週間、もうhome sickなのだろうか。ケータイから我が家の電話にかけたが、日本の識別番号が分からないまま発信したらしい。毎日メールで形ばかりの激励をしているのに、ダンナにとって外国は鬼門なのだろうか。私が国外にいたときは、1ヶ月でも電話などしなかった。家族の声を聴きたいとも思わなかったし、聴いてどうすると開き直っていた。面倒な感情をぶつけられても、どう返していいのか分からない。電話でどこかの教科書に載っていそうな励ましの言葉をかけ、あと@@;日で帰国だと「おしまい」を告げる。NTという着ぐるみをかぶり、その上にお母さんという衣装を何着も身にまとい、妻というマスクをつけ日々の生活を回す。なんとも面倒で疲れる仕事だ。それらを衝動的に全部脱ぎ捨て、繰り返し同じ曲を聴く。頭の中の鍵盤が軽快に動き出すと、あ~幸せ・・・と感じる。