土曜日の午後ジュンク堂で本を探し、福祉職のT子と会う。一時期ストレス発散のため、東南アジアのおかまバーに入れこんでいた彼女。最近は落ち着いたのか、家族の話が多い。ついでに「RAMの娘はどうするの?」と余計な気を回す。そしてしたり顔で「RAMが何でも先走ってやってしまうから、娘が自立できないのよ~」と一般論をかます。老人相手のT子にスペクトラムの話などしても分からないだろうから、苦笑してスルーだ。ASDの話なら、彼女の悩みに付き合いながら、さりげなく中に入れてある。他人にはこれほど寛容になれても、家族にはやはりなれないジレンマがある。今夕も食事の準備をしていると、ダンナが「この容器に卵を2個ずつ入れれば…?」と聞いてくる。カチンときて言い返そうとすると、子ペンギンが「僕がやろうか」と助け船を出してくれる。すでに経験済みの場面では、子ペンギンの方がダンナよりも相手の気持ちではないが動きを正確に予測する。反対にダンナは何度でも高飛車な物言いをし、私の顰蹙を買う。子ペンギンを見ていて思うのは、TOMを生得的に持っていないのではなく、TOMを的確に覚える機会がなかったのではないだろうか。この私でさえ、まだまだ記憶すべきTOMは沢山ある。ただ彼に比べると、理解する方法と場面を効率的に使いこなせるだけだ。