今朝は報告メールと電話で終わるのかと思っていると、不意にM子が電話をしてきた。例の香港行きはどうなったのかと、回答を求めてくる。メールの返事を送っていないのだから、そんな余裕はないと推測してほしい。私の気持ちは、障碍児とは無縁のM子にとって酷な要求だったかもしれない。相変わらず元気な声で「それで、香港のどのあたりに行こうか? 尖沙咀なんか懐かしいでしょう?」とまくし立てる。もう下見に行ってきたそうだ。彼女の同窓会旅行にかける意欲が並々ならぬものであることを、ようやく知る。近況報告ではないが、PTAに時間と労力を奪われそうだと嘆いてみた。するとM子は「あらっ、PTAもなかなかいいんじゃない? 子どもが小学校の時、広報を手伝ったわよ」と、どこまでもポジティブだ。昔の私なら「今忙しいから…」と受話器を置いてしまっただろう。怒るエネルギーがもったいないと思えるようになったこの頃、しばらく間をおいて「でもね…PTAの仕事は~なのもあるし、~のに行かなくてはいけないし。かなりスケジュールを拘束されるのよ」と説明する。これで分かってもらえたかと内心安堵したのもつかの間、M子が「じゃあ、九州でもどう? 旧正月なんていいんじゃない?」と誘ってくる。さらに説明しようとすると、「あ~ゴメン、これプリケイなの。じゃまたね」と切ってしまった。M子とこんなに話が通じなくなったとは、環境の違いなのだろうか。それとも加齢現象なのだろうか。遠い人になってしまったのは確かだけれど。