風邪で寝込んでしまい、何も進まなかった一日。代わりに娘があれこれと家事を手伝ってくれる。息子たちはそれを良いことに、重い腰を上げる気配もない。煮詰まってしまった彼女に「泣いていても仕方がないでしょう。自分で全てをする必要はないんだから、堂々と彼らにやらせればいいのよ」とエールを送る。先日娘が学校でのいじめを告白したとき、正直まいったな~と思った。小学校以降あからさまないじめに遭ったことがない。どう対応しようかコンマ数秒迷った挙げ句、記憶の辞書をひもといた。今まで読んだテキスト、本などの知識を引き出し、対処法を検索する。涙にくれる娘を落ち着かせようと、とりあえず抱きしめる。そして「大丈夫。何があってもママが守ってあげるから」と言ってみた。すると娘は泣きやみ、なんとか元気を取り戻した。いじめに遭った状況を聞き出し、その後の手続きを淡々とこなした。それでも私の気持ちは落ち着かない。女は愛嬌ではなく、知識と度胸だと思っているからだろうか。