地下鉄の乗り継ぎ駅でU先生に遭遇し、仕方なく近況報告をした。こんな所まで波紋が広がっているとは、あの世界の狭さにうんざりする。努めて元気に返事をし、地下鉄2区間のあいだに説明をした。今日はついていないと思い、気分直しにコンビニでバウムクーヘンを買う。図書館でこっそり食そうと思ったのだ。キャンパスを歩くと、こんどはS先生とK先生に遭遇した。再び空元気をだして挨拶をする。よくよく付いていない日もあるものだ。どうも私はめげない人だと思われているらしい。随分めげて、ようやくよろよろと起きあがろうとしているのだが。私は自分の気持ちを素直に表すのが苦手なのかもしれない。ゆっくりと冷静に言葉を選ぶ作業よりも、深読みした挙げ句ぶっきらぼうに感情の一部を投げかけてしまう。相手の察する能力を考えず、このくらいは察して当たり前と踏んでしまうのだ。Imaginationとは深くて暗い海底を、ごくわずかな酸素ボンベで泳ぐようなものだ。今日借りた本は2冊、「ヴィトゲンシュタイン哲学宗教日記」と「科学論文の英語用法百科-よく誤用される単語と表現」だった。ヴィトゲンシュタインの表現には、とても共感を覚える。気質的に共通な何かがあるのかもしれないと思う。