ペンギンであるにもかかわらず、私はPigletのように多産系だ。生理的にはペンギンなのだが、子ども達を育てる過程においては、ほ乳類に成り変わる。いや、自分をほ乳類だと思いこんでいたのかもしれない。子ペンギンが出現してから、母もペンギンなのだろうと覚った次第だ。このような環境下で、子ペンギンは、食事をはじめ日常生活すべてに兄弟たちとの交渉を必要とする。子ペンギンならびにbrothers+sisterが幼かった頃は、それほど相互の葛藤はなかった。しかし自我の目覚めとともに、凄まじいやりとりが日々眼前で繰り広げられる。その中で、子ペンギンが学んだ事は「遠慮」することだった。食事の分配でも、我先に手を出さない。おそらく遠慮などという高次な思考ではなく、最初に手を出すと攻撃に会うから、2番目、3番目に意思表示をすることが得策ということを体得したのだろう。多産系家族の中間子に生まれた彼だが、今までの学習が社会で般化できるだろうか。